輪投げの効用

 小さいお子さんが、そろばんの練習中に集中力が途切れたりしたときに、気分転換になる何らかの遊びを挟むと、残りの時間が練習に集中できるようになって、かえって有効な練習になることが多いです。天神山そろばん教室では、公民館に備え付けのボールやナンバーカードを使うことがありますが、一番の人気は「輪投げ」です。

 この輪投げ、意外な効用がありまして、入った輪の数を数えたり、その得点を足し算したりと、結果的には算数のお勉強になっているのです。さらに、足し算の際に「おはじき」を暗算の補助に使うのですが、点数が大きくなるとおはじきが足りなくなります。そこで登場するのが「ボタン」です。ボタンを「5玉」代わりに使うのです。おはじき5個をボタン1個と交換し、5玉(ボタン)と1玉(おはじき)で、「疑似そろばん」の完成です。これで、おはじき不足の問題は解決するうえ、輪投げを通じてそろばん練習を行っているという訳ですね。

 あまりに楽しすぎて、机に戻るタイミングに困るのではないかと心配でしたが杞憂でした。きっと満足したからなのでしょう、「〇〇分までだよ。そのあとはソロバンだよ。」というとキチンと聞き分け良く、気持ちを切り替えて練習に戻ってくれます。子供を信じて柔軟にチャレンジすることは大正解なんだな…と改めて教えられました。