私がまだ学校で九九を習ってなかったころ、通っていた珠算塾では掛け算の練習が始まっていました。その塾では必ず練習の一番最初に全員で「九九の歌」を合唱していましたので、理屈抜きで「暗唱」できるようになります。まさに理屈抜きなので九九や計算を理解してるわけではありません。ある種の儀式(練習開始に向けた気持ちの切り替えのため)といった意味もあったと思います。「九九の歌」に続けて加算・減算における「珠の弾き方」も全員で唱和しました。「1は9とって10たす、2は8とって10たす……」といった具合です。
でもこれは、原理や計算を全く理解していない段階の子供にとっては、合唱や唱和のリズムに乗っているからできた、歌詞等を頭から流していくからできた、他の生徒の声が聞こえていたからできた、という側面はあったと思います。リズムも周囲の声もなく、頭から流さず直接「8×5=」と問われたら、「え~っと???」となる場面はしばしばありました。
そんなとき私の姉が、九九のおもしろい覚え方を教えてくれたのです。その例をいくつかご紹介します。
2×4(西に蜂)
2×9(肉18kg)
4×4(獅子16頭)
4×8(しわ32本)
8×8(葉っぱ64枚)
9×4(串36本)
こんな感じです。これを文字だけではなく絵に描いて、視覚と聴覚でインプットし、声に出してアウトプットするのです。
インプットとアウトプット、学習の基本ですね。もちろん81個すべての九九に語呂合わせがあるわけではないのですが、いくつかあるだけで子供の興味関心というものは振作されるものです。「キッカケ」さえあれば良いのです。むしろ「キッカケだけ」の方が良いかもしれません。余白を残しておいて、子供自身が考えて、広げていく、あるいは埋めていく、難しく言えば「創造する」でしょうか。
話が逸れましたが、とにかく何でも楽しく、工夫しながら学ぶことは、前向きでとても良い取り組みだと思います。
コメントをお書きください