今年(2024年)は閏年です。つまり、366日ある年ということです。暦(こよみ)は非常に歴史が古く、奥の深い話ですし、天文学とも関連して数学的に緻密で複雑な問題でもあります。ですので、極めて簡単に書いてみますが、詳しいことは読者ご自身で調べてみてください。
この「366日目」が登場する年は、4年に1回です(注:厳密には少し誤差があります)。ですので前回の閏年は2020年でした。次回は2028年ですね。簡単に言うと、地球が太陽を一周するのに要する時間は、365日と約6時間であるため、4年間で約6時間の4倍、すなわち約1日がオマケで付いてくるという訳です。「約」としたのは、厳密には少し誤差があるからです。それでも人間の実生活上あるいは季節の現象にとっては差しさわりがないので「無視できる誤差」として問題にはしていません。(注:100年目の倍数の年は「366日にせず365日のままとする」という誤差の補正を行います。さらに400年目の倍数の年は「366日にする」ことで更なる補正を行います。)
また、
2. 数字を使わない表現方法
暦法の歴史も面白いですね。月の満ち欠けに基づく太陰暦、その後の天文的理由から太陰太陽暦、さらに太陽暦へと、人間の叡智によって変遷していきますが、ときに神学論争と絡み合ったり、権力闘争に利用されたりと、人間のダークサイドとも密接に関係しており、純粋な学問(天文学)としてだけでは語れない側面があります。
ところで1つ疑問が湧きませんか? それは「なぜ2月なの?」です。その答えの前にまず踏まえておく必要があることは、いまでこそ「1から始って、12に向かって進み、12で終わる」と並んでいますが、これって『順番』を表しているんですか?そもそも、季節は循環しているわけだから、どこが「頭」でどこが「尻」なんて「切れ目」はないはずです。なんなら現在「8月」と呼んでいる月を「1月」と呼ぶことに変更しても良いわけです。季節は「自然現象」ですが暦法は「人工物」であり「道具」に過ぎないのです。そうです。366日目を置くことを決定した当時は、年初は現在の3月に当たる月であり、年末は現在の2月に当たる月だったため、時の権力者は「年末、つまり365日目、2月の最終日のうしろに1日を追加した」だけなのです。「へ~、そうだったのか~」ですよね。
ここで幾つかオマケ話を…。
1.9月は本当に9番目なのか
9月は英語でSeptember です。「Sept」はフランス語で「7」のことです。「7」なのに「9番目」なの?
これは、上記にも書きましたが、3月を年初としていたためMarchから数えて7番目の月なので「Sept」でおかしくないのです。これが後に、Januaryを年初とする制度に変更したためSeptmberが9番目(9月)になったというわけです。
同じ理由で、October (Oct は「8」です。オクトパス「たこ」の足も8本です。)も、Marchからは8番目ですがJanuaryからは10番目なので10月になりました。
各月を英語で表現すれば数字を使いません。ただし、Sept と Oct は、数字ではないものの数を意味する言葉であるため厳密な意味で「順番を表していない」とは言い切れません。つまり「季節は循環しているのだ、始まりと終わり(端点)なんて存在しないのだ」という考え方を十分に体現しているとも言い切れません。
ですが、私たちの日本には、順番や数字とは無縁の表現方法が存在します。それは、「睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、文月、葉月、長月、神無月、霜月、師走」です。そもそも「睦月」から書き始める必要はないのですが、睦月を1月と関係付けている実態があるので「睦月から書き始める」ことが理解を容易にするため、その慣習にならって書きました。
長くなりましたので終わりにします。皆さんも、いろいろ調べてみてください。おもしろい発見や初めて知る話がたくさん見つかると思いますよ。
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