なぜ「乗算」なの?

遅くなりました。

なぜ「『除算』なの?」に続いて「掛け算はなぜ『乗算』というのか」について書いてみたいと思います。

 

とは言っても、「除算」に関する説明によって既に「ほとんど解説済み」ではあるのですが・・・(笑)

 

掛け算は、掛けられる数(実)と掛ける数(法)それぞれの各桁にある数字2つからなる「九九」を、各位(くらい)に従って「順次、重ねながら下位へ進めていく」計算です。この「重ねる」が「乗せる」「乗る」のイメージに繋がっているわけです。また、掛け算の答えのことを「積」と呼ぶことも、これに通底していと言えるでしょう。

 

また、別の角度からもうひとつ説明できるかもしれません。例えば「8 × 5」を考えるとき、平面上に8行5列または8列5行の四角形をイメージする方が、「8を5回、たす」すなわち「8+8+8+8+8」といった直線的に捉えるよりは実感が湧くのではないでしょうか? このときの四角形(8マス×5マス)はまさに、下段に上段が乗っている(積み重なっている)、乗算のイメージそのものです。

 

ところで「除算」のブログでも述べたように、「除く」を「引く」としなかった考え方は、「乗算」にも通じるものがあります。「重ねる」「積む」は広く考えれば「加える」ことではあるものの、「たし算」「加算」と区別する意味もあったと考えられます。